【板橋区 32町別】住宅地の地価ランキング——17年の値上がり率も(2026年最新版)
板橋区の住宅地・公示地価を32町並べてみました。2026年最新値と2010年からの17年値上がり率、駅入りの地価マップまで。
板橋区にはいくつ「町」があるかご存じでしょうか。
最新2026年版で住宅地の公示地価が公表されているのは32町。町ごとに最大2.13倍の差があります。
上は1m²あたり77万円台、下は36万円台。この差は、東上線や三田線で池袋に直結する南部と、荒川沿いに広がる北部との間で開いています。板橋区という土地の構造が、そのまま数字に映っている感じです。
はじめに:この記事で出てくる用語、ざっくり説明
Q. 「公示地価」とは?
A. 国が毎年調べて発表している「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」の価格です。実際の売買価格とは多少ずれますが、不動産屋さんが言う「相場」のもとになる、エリア比較の最も中立な物差し。
Q. 「中央値」とは?
A. ある町の中に複数の調査地点があるとき、順番に並べた真ん中の数字を採用しています。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないので、町の「いつもの値段」を表すのに向いている計算方法です。
Q. なぜ2026年1月1日時点のものが最新版?
A. 公示地価は毎年1月1日時点を調査して、その年の3月に発表されます。本記事は2026年5月時点で確定取得できた最新データ(2026年版)を使っています。
これらの詳しい話は、記事末尾の「補足注記」にもまとめてあります。
上位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値
1位は 大山東町——東武東上線「大山」駅と都営三田線「板橋区役所前」のあいだ、ハッピーロード大山商店街を中心とした、いわば板橋の顔のような場所。1m²あたり 777,000円。続く 南町 が 761,000円 で2位、こちらは三田線「板橋本町」のすぐ南側です。
3位以下も 常盤台・大山金井町・加賀・小茂根・板橋・中板橋・南常盤台・仲町——いずれも区の南部、東武東上線か都営三田線の駅から徒歩圏に固まっています。「池袋まで電車で10分台」という距離感が、そのまま価格に乗っているシンプルな構造です。
上位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 大山東町:777,000円/m²
- 南町:761,000円/m²
- 常盤台:740,000円/m²
- 大山金井町:736,000円/m²
- 加賀:720,000円/m²
- 小茂根:719,500円/m²
- 板橋:714,000円/m²
- 中板橋:686,000円/m²
- 南常盤台:683,000円/m²
- 仲町:668,000円/m²
下位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値
下位を占めるのは、三園(36万円台)から 高島平・若木・舟渡・坂下——北部、荒川に近いエリアに集中しています。三田線の終点「西高島平」近辺と、都営三田線「志村三丁目」「蓮根」あたりが下位ゾーンです。
板橋区は荒川を境に埼玉と接していて、北側ほど河川敷の影響を受けます。南部より広い敷地が取りやすい反面、池袋まで距離があるぶん地価は落ち着いている、というのが下位10町の素直な読み方です。
下位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 徳丸:518,000円/m²
- 相生町:497,000円/m²
- 蓮根:482,000円/m²
- 中台:473,500円/m²
- 赤塚:469,000円/m²
- 坂下:455,000円/m²
- 舟渡:440,000円/m²
- 若木:433,500円/m²
- 高島平:402,000円/m²
- 三園:364,000円/m²
全32町を一覧で
「うちの町は何位だろう?」と気になる方のために、32町全部を1枚に並べました。

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値
最高77.7万円から最低36.4万円まで、約2.13倍のレンジ。順位を上から眺めると、南から北へ徐々に下がっていく——飛び抜けた町や取り残された町を抱えるというより、なだらかなグラデーション、というのが板橋区の特徴です。
値上がり率ランキング(2010→2026、17年)
「いま」の数字だけでは見えてこないものもあります。2010年から2026年の17年間で、どの町がどれだけ伸びたかも並べてみました。
値上がり率トップ10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
17年で最も伸びたのは 小茂根——なんと +101.0%、ちょうど約2倍に値上がりしました。
小茂根は東武東上線「ときわ台」「上板橋」と、東京メトロ有楽町線・副都心線「小竹向原」のあいだに位置するエリア。有楽町線・副都心線で渋谷・新宿三丁目・池袋まで一直線という路線価値が、この17年で大きく上振れした象徴的な町です。ちなみに練馬区側の小竹町(隣接する町)も練馬区内で値上がり率トップ。「小竹向原駅の周辺」という単位で、価値の再評価が起きていたということが見えてきます。
2位以下は 板橋(+75.0%)、南町(+73.0%)、大山東町(+70.8%)と続きます。価格トップ10とほぼ重なる顔ぶれで、もともと高い町ほど、さらに伸びた——板橋区にもはっきり起きている現象です。
値上がり率トップ10(2010→2026、住宅地中央値)
- 小茂根:+101.0%(358,000 → 719,500円/m²)
- 板橋:+75.0%(408,000 → 714,000円/m²)
- 南町:+73.0%(440,000 → 761,000円/m²)
- 大山東町:+70.8%(455,000 → 777,000円/m²)
- 幸町:+67.3%(382,000 → 639,000円/m²)
- 大山金井町:+66.1%(443,000 → 736,000円/m²)
- 大谷口:+64.2%(377,000 → 619,000円/m²)
- 仲宿:+64.1%(351,000 → 576,000円/m²)
- 大和町:+63.6%(385,000 → 630,000円/m²)
- 中板橋:+63.3%(420,000 → 686,000円/m²)
値上がり率ボトム10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がりが穏やかだったのは、再び北部の荒川沿いエリア。三園(+25.5%)、高島平(+27.0%)、相生町(+39.6%)——20〜40%台に留まりました。
価格そのものが落ち着いているぶん、変動も穏やか。価格レンジと値上がり率の両方が、板橋区の南北格差を同じ方向に映している——区の構造を、別角度から見ているような数字です。
値上がり率ボトム10
- 徳丸:+49.7%
- 常盤台:+47.1%
- 若木:+46.9%
- 中台:+45.7%
- 坂下:+45.4%
- 赤塚:+41.7%
- 蓮根:+41.3%
- 相生町:+39.6%
- 高島平:+27.0%
- 三園:+25.5%
全30町、17年の値上がり率

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
2026年版32町のうち、2010年・2026年の両方に調査地点があった30町すべてが、17年でプラス成長。最も穏やかな三園でも+25.5%、最も激しい小茂根は+101.0%。この17年、板橋区の住宅地で「下がった町」は1つもありませんでした——区内のどこを選んでも、地価ベースでは資産価値を保てた17年間です。
地価マップ(地点と駅)

データ出典:(地点・価格)国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/(駅)国土数値情報 駅データ S12-25・国土交通省/(境界線)国土数値情報 行政区域N03-21
地図の読み方
- 板橋区の形をした地図の中に、小さな丸い点(地価ポイント)と黒い四角(駅)が散らばっています
- 濃い赤色の丸ほど、その場所の地価が高い
- 薄い黄色の丸ほど、その場所の地価が低い
- 黒い四角は板橋区内の駅(20駅)
- 地図の右側に色の目盛り(カラーバー)があり、最も赤い地点で 1m²あたり78万円台、最も黄色い地点で 36万円台 あたり
これを踏まえて板橋区の地図を見ると、いくつかの特徴が浮かびます:
- 南が赤く、北が黄色い ← 池袋への近さがそのまま価格に乗っている
- 大山駅・常盤台駅・小竹向原駅の周辺に赤が集中 ← 商業集積と都心直結の組み合わせ
- 北側(高島平・新河岸・三園・坂下)はおおむね黄色 ← 荒川河川敷に近く、広い住宅地が確保できるエリア
ひとつ、地図には高島平の地価ポイントが少なめになっていることに気づきます(駅は黒い四角でちゃんと表示されています)。これは公示地価という調査が民間の普通の土地取引を対象にしていて、UR都市機構が管理する高島平団地の広大な敷地がデータに反映されないため。詳しくは記事末尾の補足注記をご覧ください。
首位と末尾の17年推移

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/板橋区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
首位の大山東町・南町と、末尾の三園・高島平を17年で並べると、その差はじわじわと広がってきたことが見えます。2010年時点では4町とも30〜46万円台の似たレンジに収まっていたものが、2026年には南部組が70万円台後半まで駆け上がり、北部組は36〜40万円台で踏みとどまった——という対照的な軌跡です。
同じ板橋区、同じ17年間のあいだに、町ごとにこれだけ異なる進み方をしてきた。ランキング以上に、この伸びの違いこそが、町選びの参考になるかもしれません。
3エリアで整理
32町の数字を、ざっくり3つのエリアに分けて見ると、板橋区の輪郭がより掴みやすくなります。
- 南部(板橋・大山・常盤台・本町系):東武東上線・都営三田線・JR埼京線で池袋・都心直結。価格・伸び率ともトップ層
- 中央(上板橋・ときわ台・東新町・前野町系):板橋らしい住宅街、安定して伸びる
- 北部(高島平・三園・舟渡・新河岸系):広い住宅地・荒川河川敷の自然、ゆっくり成長
「北部が劣っている」という話ではありません。池袋直結の商店街・住宅街エリアと、荒川沿いの広い住宅地エリア——同じ区内にこの両方が共存していることこそが、板橋区の懐の広さです。「駅前の利便」を取るか「土地の広さ」を取るか、その選択肢が同じ区内で揃っている——32町分のバリエーションは、そのまま選び方の幅でもあります。
いま板橋区で動いている3つの大型再開発
この記事の数字は2026年1月時点。けれど板橋区では、その後の地価に影響しそうな3つの大型再開発が同時並行で進行中です。記事の数字をどう読むかに関わるので、簡単に書いておきます。
1. 大山駅周辺(東武東上線) ハッピーロード大山商店街の真ん中に、地上28階の「シティタワーズ板橋大山」サウスタワー/ノースタワーが建設中(ノースタワーは2025年6月に第1期販売開始)。さらに同じ大山町内ではクロス大山(大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業)も進行。1日3万5,000人が行き交う商店街として知られるハッピーロードの環境変化に、地元では賛否が並行しています。値上がり率1位の小竹町(+101.0%)に続く東上線沿線の地価がさらに動く可能性があります。
2. 上板橋駅南口(東武東上線) 中央エリアの主要駅、上板橋の南口で地上19階のタワーマンションを含む大規模再開発が進行中。「中央:板橋らしい住宅街、安定して伸びる」と位置づけたエリアの代表駅が、今後「再開発で評価が上がるエリア」に変わる可能性があります。
3. 高島平 公示地価データに映りにくいとお伝えした高島平団地ですが、その中心エリアでタワーマンション建設が予定されています。これが実現すると、現在は地価ランキング下位に並ぶ三田線沿線北部の評価軸も、長期的には変わってくるかもしれません。
「南部・中央・北部の3層構造はそのまま、しかし上に乗っているマンション層が一段更新されつつある」——いまの板橋区はそういう局面にあります。この記事の数字(2010-2026年)はその直前のスナップショット、と読んでもらうと、未来の動きが見えやすくなります。
板橋を、町別に見ると
32町、最高77.7万円から最低36.4万円、その差2.13倍。17年の値上がり率は+25.5%〜+101.0%、全町プラス成長。
「板橋区」を一言で語ろうとすると見落としてしまうグラデーションが、町別に並べると見えてきます。「池袋まで10分の暮らし」と「荒川河川敷のある暮らし」が、同じ区内で両立している——その選択の幅を、データが映し出してくれました。
参考データ・出典
この記事のグラフ・地図・数字は、すべて公的に公開されているデータをもとに筆者が集計・作図したものです。
公示地価・地価調査
国土交通省 不動産情報ライブラリ XPT002(地価公示・地価調査API)
- 期間:2010年〜2026年(17年分)
- 対象:板橋区内・住宅地の標準地(町別中央値で集計)
- データ取得:2026年5月12日/板橋区内 約1,675レコード
- 公開URL:国土交通省 不動産情報ライブラリ
駅データ(地図上の駅プロット)
国土数値情報「駅」S12-25
- データ:駅別の座標・路線情報・年次乗降客数
- 公開元:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス
行政区域(地図の境界線)
国土交通省 国土数値情報「行政区域」N03(2021年版)
- データID:N03-21_13_210101
- 配布元(GeoJSON変換版):smartnews-smri/japan-topography
- 利用範囲:板橋区の市区町村境界の描画のみ
補足注記
■「公示地価」とは
「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」を国が毎年調べて発表している価格のことです。実際に売買される値段とは多少ずれますが、「うちの近所の土地、いくらくらいなのか」をエリア単位で比べたい時の最も中立な物差しとして使われています。不動産屋さんが言う「相場」のもとになる数字、と理解してもらえれば十分です。
■ なぜ2026年版が最新なのか
公示地価は毎年1月1日時点の価格を、その年の3月に発表する仕組みです。本記事は2026年5月時点で確定済みの最新データ(2026年版)を使っています。次回更新時には2027年版・2028年版を順次組み込んでいきます。
■「中央値」とは
同じ町に複数の調査地点がある場合、その町の値は中央値を採用しています。中央値とは、順番に並べたときに真ん中にくる数字のこと。たとえば「100、150、200、500、1000」という5つの数字があるとき、平均は390ですが、中央値は200です。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないため、町の代表的な値を示すには中央値のほうが向いています。
■ 地点数のばらつき
町によって調査地点の数は1〜6件と差があります。地点が1件しかない町は「その1地点の値段=町の値」となるため、地点が複数ある町と比べると参考値の意味合いが少し変わります。
■ 用途地域は「住宅地」の大区分でまとめている
同じ「住宅地」の中にも第一種低層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・準住居地域などの細分がありますが、本記事では「住宅地」の大区分でまとめて集計しています。
■ 大型団地(高島平団地など)がデータに映らない理由
公示地価は「民間で普通に売り買いされている土地」を対象とした調査のため、UR都市機構や公社が管理する大型団地は対象外です。「価値が低い」のではなく「調査の仕組み上、対象に入っていない」が正しい解釈です。高島平団地・西台団地・板橋四丁目団地などが該当します。
■ 数字の正確性について
本記事は公的データの集計をもとにしていますが、原データの誤り・筆者の処理ミス・AIによる集計補助のエラーなど、誤差が含まれる可能性があります。目安として読んでいただくのが正解です。正確な数字は、必ず一次データ(不動産情報ライブラリ)でご確認ください。誤りのご指摘は歓迎します。