【目黒区 23町別】住宅地の地価ランキング——17年の値上がり率も(2026年最新版)
目黒区の住宅地・公示地価を23町並べてみました。2026年最新値と2010年からの17年値上がり率、駅入りの地価マップまで。
目黒区にはいくつ「町」があるかご存じでしょうか。
最新2026年版で住宅地の公示地価が公表されているのは23町。町ごとに最大2.48倍の差があります。
注目すべきは、目黒区は最下位の「中町」でも93.3万円/m²ということ。これは杉並・中野の上位、世田谷の中位上、大田の上位帯と並ぶ高さで、「最下位が他区の上位水準」という、23区でも屈指の高水準住宅地です。さらに駅数は23区最少の9駅――駅から遠くても地価が落ちない、住宅地としてのブランド力が際立つ区。2026年の平均公示地価は約184万円/m²、前年比+13.68%(全国11位の上昇率)で、勢いも全国トップクラスです。
はじめに:この記事で出てくる用語、ざっくり説明
Q. 「公示地価」とは?
A. 国が毎年調べて発表している「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」の価格です。実際の売買価格とは多少ずれますが、不動産屋さんが言う「相場」のもとになる、エリア比較の最も中立な物差し。
Q. 「中央値」とは?
A. ある町の中に複数の調査地点があるとき、順番に並べた真ん中の数字を採用しています。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないので、町の「いつもの値段」を表すのに向いている計算方法です。
Q. なぜ2026年1月1日時点のものが最新版?
A. 公示地価は毎年1月1日時点を調査して、その年の3月に発表されます。本記事は2026年5月時点で確定取得できた最新データ(2026年版)を使っています。
これらの詳しい話は、記事末尾の「補足注記」にもまとめてあります。
上位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値
上位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 青葉台:2,310,000円/m²
- 三田:1,735,000円/m²
- 目黒:1,650,000円/m²
- 自由が丘:1,650,000円/m²
- 駒場:1,550,000円/m²
- 中目黒:1,440,000円/m²
- 上目黒:1,360,000円/m²
- 東山:1,340,000円/m²
- 鷹番:1,340,000円/m²
- 中根:1,300,000円/m²
上位10町の沿線を見ると、東急東横線(中目黒・祐天寺・自由が丘)、東急田園都市線(青葉台周辺)、東急目黒線(武蔵小山方面)、JR山手線(目黒駅)、京王井の頭線(駒場東大前=駒場周辺)が混在しています。さらに首都高3号渋谷線と山手通り(環状6号線)が中目黒・青葉台周辺を通り、目黒区の上位エリアは「渋谷・代官山・恵比寿の延長」としての価値を共有しています。首位は青葉台231万円/m²――この水準は世田谷の最上位「三軒茶屋」130.5万円の1.77倍にあたります。目黒区は、隣接する世田谷区と比べても、別格の地価帯で動いている区です。
下位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値
下位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 五本木:1,130,000円/m²
- 柿の木坂:1,130,000円/m²
- 碑文谷:1,130,000円/m²
- 八雲:1,120,000円/m²
- 下目黒:1,090,000円/m²
- 洗足:1,060,000円/m²
- 目黒本町:1,020,000円/m²
- 大岡山:1,010,000円/m²
- 緑が丘:940,000円/m²
- 中町:933,000円/m²
下位10町を見ても、最下位「中町」でも93.3万円/m²。これは世田谷の上位「奥沢」109.5万円や、中野の最上位「中央」113.7万円とほぼ同水準です。目黒区は「下位」が他区の「上位」と同じ高さ――これは23区横展開のなかでも特異な構造。下位エリアは碑文谷・八雲・洗足・大岡山・緑が丘・中町など、東急目黒線・東急大井町線・東急東横線の南側に分布し、駅密度がやや薄いゾーン。それでもこの水準で動くのは、目黒区全体が「すべてが渋谷・代官山・恵比寿のハロー圏内」にあることの裏返しです。
全23町を一覧で

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値
23町を並べると、231万円から93万円までの間に町が連なる急峻なグラデーションが浮かびます。世田谷の50町で見た「30〜130万円の幅広い分布」とは違い、目黒の23町は「93〜231万円」というハイレンジに全町が集中しています。23町という比較的少ない町数の中で2.48倍の差が出るのは、青葉台・三田・目黒という渋谷直結トリオの突出した伸びが、上位を引き上げているためです。
値上がり率ランキング(2010→2026、17年)
値上がり率トップ10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率トップ10(2010→2026、住宅地中央値)
- 青葉台:+145.7%(940,000 → 2,310,000円/m²)
- 目黒:+142.6%(680,000 → 1,650,000円/m²)
- 駒場:+142.2%(640,000 → 1,550,000円/m²)
- 中目黒:+109.9%(686,000 → 1,440,000円/m²)
- 上目黒:+106.1%(660,000 → 1,360,000円/m²)
- 三田:+99.7%(869,000 → 1,735,000円/m²)
- 中根:+95.5%(665,000 → 1,300,000円/m²)
- 鷹番:+95.1%(687,000 → 1,340,000円/m²)
- 五本木:+94.2%(582,000 → 1,130,000円/m²)
- 祐天寺:+90.3%(620,000 → 1,180,000円/m²)
17年で値上がり率トップ10を見ると、目黒区の地価上昇は渋谷・代官山ハロー効果という1本の物語で貫かれていることが見えてきます。
首位の青葉台(+145.7%)と3位の駒場(+142.2%)は、京王井の頭線の神泉駅・駒場東大前駅から徒歩圏で、行政上は目黒区ですが「渋谷区松濤・代官山の延長」として価格が形成されています。神泉駅は渋谷駅から1駅、つまり「渋谷駅徒歩圏」と言って差し支えない距離。「目黒区」の名前で売られているけれど、価格形成のロジックは渋谷区基準――これがこの2町の伸びの正体です。
2位の目黒(+142.6%)はJR山手線の目黒駅徒歩圏。山手線という都心環状の一画として、品川・五反田・恵比寿と並ぶターミナル機能を持ち、首都高2号目黒線も目黒駅前を起点とします。鉄道+道路の両アクセスが、地価を押し上げる二大要因として効いています。
4位の中目黒(+109.9%)と5位の上目黒(+106.1%)は東急東横線・日比谷線の中目黒駅周辺。桜並木の名所であり、ライフスタイル発信地としての価値が地価に乗っています。
興味深いのは、住宅地ランキング4位の自由が丘(165万円)が値上がり率では11位以下にとどまり、トップ10入りしていないこと。とはいえ自由が丘では2026年秋に「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」(自由が丘一丁目29番地区第一種市街地再開発事業、15階・約170戸・商業)が開業予定で、明治屋・スタバSHARE LOUNGEなどの出店も決まっています。自由が丘の伸びは、これからが本番かもしれません。
値上がり率ボトム10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率ボトム10
- 中町:+82.9%
- 大岡山:+79.1%
- 下目黒:+79.0%
- 碑文谷:+78.8%
- 平町:+77.2%
- 洗足:+76.1%
- 目黒本町:+69.7%
- 柿の木坂:+67.4%
- 八雲:+62.3%
- 緑が丘:+59.7%
ボトム10を見ると、最下位「緑が丘」でも+59.7%、ほぼ全町で+60〜+80%の安定上昇。全23町プラス成長は標準値どおりで、目黒区も「値下がりした町は1つもない」結論を踏襲します。ここで強調しておきたいのは、+59%という伸び率が「最下位」になる目黒区の異質さ。世田谷では+8.5%、大田では+37%が最下位でした。目黒は、伸び率の最下位が他区の中位以上というレベルで動いています。
全23町、17年の値上がり率

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
地価マップ(地点と駅)

データ出典:(地点・価格)国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/(駅)国土数値情報 駅データ S12-25・国土交通省/(境界線)国土数値情報 行政区域N03-21
地図の読み方
- 目黒区の形をした地図の中に、小さな丸い点(地価ポイント)と黒い四角(駅)が散らばっています
- 濃い赤色の丸ほど、その場所の地価が高い
- 薄い黄色の丸ほど、その場所の地価が低い
- 黒い四角は目黒区内の駅(9駅)
- 地図の右側に色の目盛り(カラーバー)があり、最も赤い地点で 1m²あたり231万円台、最も黄色い地点で 93万円台 あたり
地図にすると、赤色の濃い地点は区の北側――青葉台・上目黒・中目黒・目黒・三田・駒場のあたり――に集中し、南に向かうほど色が落ち着いてきます。それでも全域が赤〜橙の高価格帯で、世田谷で見たような「東半分が赤、西半分が黄色」の急峻なグラデーションはなく、目黒区全体が高値の高地である構造が読み取れます。首都高3号渋谷線(区の北側)と首都高2号目黒線(目黒駅起点)、そして山手通り(環状6号線)が、都心⇔目黒の主要動線として地価を支えています。
首位と末尾の17年推移

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/目黒区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
首位「青葉台」と末尾「中町」の17年カーブを並べると、両方ともシャープな右肩上がりで、特に青葉台は2014年以降、急角度で立ち上がっています。青葉台は94万円→231万円へ+145.7%、中町は約51万円→93.3万円へ+82.9%――いずれも17年で1.5倍以上の伸び。目黒区全体が上昇エンジン区として動き続けていることが、グラフの形そのものから読み取れます。
3エリアで整理
23町の数字を、ざっくり3つのエリアに分けて見ると、目黒区の輪郭がより掴みやすくなります。
- 北部(渋谷直結/山の手延長):青葉台・三田・上目黒・中目黒・東山・五本木・祐天寺・駒場。京王井の頭線南端、東急東横線、東急田園都市線、JR山手線(目黒駅)が走り、代官山・恵比寿・渋谷ハロー圏内。道路は首都高3号渋谷線と山手通り(環六)。地価ランキング・値上がり率ランキングの主役はここ
- 中央(自由が丘・目黒駅周辺の中産階級高級住宅地):目黒・自由が丘・鷹番・中根・下目黒・大岡山・緑が丘・平町。JR山手線(目黒)、東急東横線・大井町線(自由が丘)、東急目黒線(大岡山)が走り、目黒・自由が丘という二大ブランドを持つ。道路は目黒通りと首都高2号目黒線。2026年秋に自由が丘駅前で「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」が開業予定、自由が丘ブランドの再構築フェーズへ
- 南部(碑文谷・洗足の静かな住宅地):碑文谷・八雲・洗足・柿の木坂・目黒本町・中町。東急目黒線・東急東横線の南側、駅密度がやや薄いゾーン。道路は環状7号と目黒通り。値段は93〜130万円台と「目黒の下位」だが、それでも世田谷・中野の上位水準
「南部が劣っている」という話ではありません。目黒区は最下位の中町でも93.3万円/m²という、他区から見れば「最上位水準」をボトムに持つ区。9駅という23区最少の駅密度のなかで、すべての町が渋谷・代官山・恵比寿のハロー圏内にあるという特殊な地理的優位を持っています。「渋谷直結プレミアム」を取るか「目黒・自由が丘ブランドの安定」を取るか「碑文谷・洗足の落ち着いた住宅街」を取るか、その3つの選択肢が一つの区の中で並んでいる。23町分のバリエーションは、そのまま暮らし方の幅でもあります。
目黒を、町別に見ると
23町、最高231.0万円から最低93.3万円、その差2.48倍。17年の値上がり率は+59.7%〜+145.7%、全町プラス成長。
「目黒区」とひと言でいっても、北の青葉台・駒場で渋谷・代官山ハロー効果が地価を引き上げ、中央で目黒・自由が丘という二大ブランドが安定した高値を保ち、南で碑文谷・洗足が静かな住宅街として一定の水準を支える――23町分のバリエーションは、すべて「最下位でも90万円超え」という驚異的な高値の上で成立しています。9駅という23区最少の駅密度の中で、それでも地価が落ちない。これが、目黒区が「住みたい街」ランキングの常連であり続ける構造的な理由です。
参考データ・出典
この記事のグラフ・地図・数字は、すべて公的に公開されているデータをもとに筆者が集計・作図したものです。
公示地価・地価調査
国土交通省 不動産情報ライブラリ XPT002(地価公示・地価調査API)
- 期間:2010年〜2026年(17年分)
- 対象:目黒区内・住宅地の標準地(町別中央値で集計)
- データ取得:2026年5月13日/目黒区内 約1,057レコード
- 公開URL:国土交通省 不動産情報ライブラリ
駅データ(地図上の駅プロット)
国土数値情報「駅」S12-25
- データ:駅別の座標・路線情報・年次乗降客数
- 公開元:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス
行政区域(地図の境界線)
国土交通省 国土数値情報「行政区域」N03(2021年版)
- データID:N03-21_13_210101
- 配布元(GeoJSON変換版):smartnews-smri/japan-topography
- 利用範囲:目黒区の市区町村境界の描画のみ
補足注記
■「公示地価」とは
「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」を国が毎年調べて発表している価格のことです。実際に売買される値段とは多少ずれますが、「うちの近所の土地、いくらくらいなのか」をエリア単位で比べたい時の最も中立な物差しとして使われています。不動産屋さんが言う「相場」のもとになる数字、と理解してもらえれば十分です。
■ なぜ2026年版が最新なのか
公示地価は毎年1月1日時点の価格を、その年の3月に発表する仕組みです。本記事は2026年5月時点で確定済みの最新データ(2026年版)を使っています。次回更新時には2027年版・2028年版を順次組み込んでいきます。
■「中央値」とは
同じ町に複数の調査地点がある場合、その町の値は中央値を採用しています。中央値とは、順番に並べたときに真ん中にくる数字のこと。たとえば「100、150、200、500、1000」という5つの数字があるとき、平均は390ですが、中央値は200です。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないため、町の代表的な値を示すには中央値のほうが向いています。
■ 地点数のばらつき
町によって調査地点の数は1〜6件と差があります。地点が1件しかない町は「その1地点の値段=町の値」となるため、地点が複数ある町と比べると参考値の意味合いが少し変わります。
■ 用途地域は「住宅地」の大区分でまとめている
同じ「住宅地」の中にも第一種低層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・準住居地域などの細分がありますが、本記事では「住宅地」の大区分でまとめて集計しています。
■ 数字の正確性について
本記事は公的データの集計をもとにしていますが、原データの誤り・筆者の処理ミス・AIによる集計補助のエラーなど、誤差が含まれる可能性があります。目安として読んでいただくのが正解です。正確な数字は、必ず一次データ(不動産情報ライブラリ)でご確認ください。誤りのご指摘は歓迎します。