【北区 21町別】住宅地の地価ランキング——17年の値上がり率も(2026年最新版)
北区の住宅地・公示地価を21町並べてみました。2026年最新値と2010年からの17年値上がり率、駅入りの地価マップまで。
北区にはいくつ「町」があるかご存じでしょうか。
最新2026年版で住宅地の公示地価が公表されているのは21町。町ごとに最大3.16倍の差があります。練馬2.05倍・板橋2.13倍・中野2.31倍・杉並2.15倍・豊島1.73倍と並べてみると、北区はこの5区を圧倒的に上回る格差。理由はランキング上位を見ると一目でわかります——赤羽駅前が、ひとつの町だけ別格だからです。
はじめに:この記事で出てくる用語、ざっくり説明
Q. 「公示地価」とは?
A. 国が毎年調べて発表している「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」の価格です。実際の売買価格とは多少ずれますが、不動産屋さんが言う「相場」のもとになる、エリア比較の最も中立な物差し。
Q. 「中央値」とは?
A. ある町の中に複数の調査地点があるとき、順番に並べた真ん中の数字を採用しています。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないので、町の「いつもの値段」を表すのに向いている計算方法です。
Q. なぜ2026年1月1日時点のものが最新版?
A. 公示地価は毎年1月1日時点を調査して、その年の3月に発表されます。本記事は2026年5月時点で確定取得できた最新データ(2026年版)を使っています。
これらの詳しい話は、記事末尾の「補足注記」にもまとめてあります。
上位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値
上位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 赤羽南:1,640,000円/m²
- 田端:851,500円/m²
- 上中里:782,000円/m²
- 王子本町:771,000円/m²
- 田端新町:762,000円/m²
- 赤羽:719,000円/m²
- 西ケ原:717,000円/m²
- 滝野川:672,500円/m²
- 東十条:663,000円/m²
- 志茂:632,000円/m²
首位の赤羽南、1m²あたり164万円。2位の田端(85.15万円)の約2倍で、3位以下とはさらに大きく離れています。赤羽南は赤羽駅の南東側、京浜東北線・埼京線・湘南新宿ライン・宇都宮線・高崎線・東京メトロ南北線が乗り入れる6路線ターミナル「赤羽」の駅前住宅地。2024年7月にオープンした駅ナカ商業施設「エキュート赤羽みなみ」、そして2026年10月着工予定の赤羽一丁目市街地再開発(2029年6月竣工予定)など、駅前の更新が立て続けに走っているエリアです。6路線駅前×再開発が、町別中央値を他の北区の町とは別物の水準に引き上げました。
2位以下は田端(山手線)→上中里・王子本町(京浜東北線・南北線)→田端新町→赤羽(駅前商店街エリア)→西ケ原(南北線・古河庭園)→滝野川・東十条・志茂。JR山手線・京浜東北線・南北線・埼京線——駅から徒歩圏の町が上位を独占しているのは、他の23区と同じ傾向です。
下位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値
下位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 赤羽西:632,000円/m²
- 岸町:630,000円/m²
- 中十条:623,000円/m²
- 十条仲原:594,500円/m²
- 堀船:594,000円/m²
- 豊島:569,000円/m²
- 神谷:554,000円/m²
- 岩淵町:550,000円/m²
- 赤羽北:531,000円/m²
- 栄町:519,000円/m²
「下位10町」の顔ぶれは、十条系(中十条・十条仲原)と荒川沿い(堀船・神谷・岩淵町・赤羽北)、そして北区豊島・栄町。赤羽北・赤羽西・赤羽南——同じ「赤羽」を冠する町でも、駅から離れると価格は半分以下になります。赤羽南164万円に対し、最下位の栄町は52万円。北区の格差3.16倍を作っているのは、駅前と非駅前の落差そのものです。
下位グループの価格帯(52〜63万円)は、練馬区の中位ゾーン(田柄・春日町・上石神井あたり)や板橋区の北部(高島平・三園)と概ね近い水準です。「北区の下位 ≒ 練馬・板橋の中位」と捉えると、街の比較感がつかみやすくなります。
なお、北区の「豊島」町(17位・56.9万円)は、隣接する豊島区とは別物。北区豊島は王子・神谷の北側、京浜東北線東十条駅と地下鉄南北線志茂駅の中間にある町で、町名としては豊島区より古い由来を持つ場所です。
全21町を一覧で

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値
21町を1つの帯で並べてみると、赤羽南だけが棒グラフから飛び出しているような形が見えてきます。次に田端〜志茂までの上位群、その後に下位群、という階段が続く。「6路線ターミナル+再開発」の効果が、町別ランキングにここまで露骨に出る区はそう多くありません。
値上がり率ランキング(2010→2026、17年)
値上がり率トップ10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率トップ10(2010→2026、住宅地中央値)
- 滝野川:+90.0%(354,000 → 672,500円/m²)
- 赤羽:+89.2%(380,000 → 719,000円/m²)
- 田端:+88.8%(451,000 → 851,500円/m²)
- 志茂:+83.2%(345,000 → 632,000円/m²)
- 西ケ原:+82.0%(394,000 → 717,000円/m²)
- 上中里:+80.4%(433,500 → 782,000円/m²)
- 岸町:+77.0%(356,000 → 630,000円/m²)
- 王子:+75.1%(361,000 → 632,000円/m²)
- 王子本町:+72.9%(446,000 → 771,000円/m²)
- 赤羽西:+70.8%(370,000 → 632,000円/m²)
値上がり率の最上位は滝野川+90.0%、続いて赤羽+89.2%、田端+88.8%。トップ10全町が+70%以上で揃っており、これは練馬・板橋を上回るペースです。「+90%クラス」が並ぶというのは、北区全体が17年で一段格を上げたことを意味しています。
ここで注目したいのは、SUUMO住みたい街ランキング2026首都圏版で北区が「得点ジャンプアップした自治体ランキング1位」になっている事実。前年から+125点(392→517点)で、自治体順位も45位→34位に上昇しました。赤羽の住みたい街ランキング上位常連化(2024・2025年7位)、6路線ターミナルとしての評価、駅ナカ商業施設の充実——これらが、「北区=穴場」から「北区=住みたい街」への評価転換を起こしている真っ最中、というのが現在の北区の立ち位置です。地価上昇は、その遅行指標として動いています。
値上がり率ボトム10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率ボトム10
- 王子:+75.1%
- 王子本町:+72.9%
- 赤羽西:+70.8%
- 中十条:+67.5%
- 岩淵町:+62.7%
- 十条仲原:+60.2%
- 堀船:+59.2%
- 豊島:+54.4%
- 赤羽北:+49.2%
- 神谷:+46.6%
最下位の神谷でも+46.6%、赤羽北+49.2%。荒川河川敷に近い区の北端でも、17年で約1.5倍に値上がりしました。全町プラス成長は、北区でも変わりません。
全17町、17年の値上がり率

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
地価マップ(地点と駅)

データ出典:(地点・価格)国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/(駅)国土数値情報 駅データ S12-25・国土交通省/(境界線)国土数値情報 行政区域N03-21
地図の読み方
- 北区の形をした地図の中に、小さな丸い点(地価ポイント)と黒い四角(駅)が散らばっています
- 濃い赤色の丸ほど、その場所の地価が高い
- 薄い黄色の丸ほど、その場所の地価が低い
- 黒い四角は北区内の駅(19駅)
- 地図の右側に色の目盛り(カラーバー)があり、最も赤い地点で 1m²あたり164万円台、最も黄色い地点で 52万円台 あたり
地図にすると、赤羽駅周辺と田端駅周辺の2点に深い赤が落ちるのがすぐにわかります。北区は南北に細長い区。区の南端に田端(山手線)、中央〜北寄りに王子(南北線・京浜東北線)、北端に赤羽(6路線)という鉄道結節点が縦に並んでいる構造です。赤い点はこの3つのターミナル+十条系の埼京線駅近に集中し、荒川河川敷側(神谷・岩淵町・赤羽北)と十条系の住宅街内部に向かうほど色が落ちていく——典型的な「駅から離れると価格が下がる」パターンが、北区では特に綺麗に出ています。
首位と末尾の17年推移

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/北区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
首位グループ(田端・上中里)と末尾グループ(赤羽北・岩淵町)の17年推移を並べてみると、4本とも右肩上がりで、傾きの違いはあれど「全町プラス成長」は変わらない構図が見えます。田端の伸びは2014〜2018年あたりから明確に加速、赤羽北は10年代後半に上昇に転じてから2020年以降も続いています。北区の地価は、山手線の田端から押し上がり、赤羽の再開発で再加速した——そんなストーリーが、推移グラフからも読み取れます。
3エリアで整理
21町の数字を、ざっくり3つのエリアに分けて見ると、北区の輪郭がより掴みやすくなります。
- 北部(赤羽南・赤羽・赤羽西・赤羽北・志茂・岩淵町・神谷):6路線ターミナル赤羽を中心に、再開発と荒川河川敷が同居する区の表玄関。赤羽南は突出して高く、駅から離れるほど価格は落ち着く
- 中央(王子本町・王子・東十条・十条仲原・中十条・堀船・豊島・栄町):京浜東北線・南北線・埼京線が交差する区の真ん中。王子駅周辺と十条系商店街の住宅地が並ぶ
- 南部(田端・田端新町・上中里・西ケ原・滝野川・岸町):JR山手線田端駅と京浜東北線上中里・南北線西ケ原。豊島区駒込・文京区本駒込と地続きで、北区の中では最も「山の手の格」を感じさせるエリア
「中央や南部が劣っている」という話ではありません。6路線駅前の利便と再開発を取る赤羽、駅徒歩圏の商店街文化を取る王子・十条、山手線駅近の格を取る田端——21町分のバリエーションは、そのまま住み方の3つの選び方として機能しています。「再開発の最前線」「生活感のある商店街」「山手線の格」——同じ区内で、それぞれ性格の違う住宅街が並んでいる、というのが北区の本当の顔です。
北区を、町別に見ると
21町、最高164.0万円から最低51.9万円、その差3.16倍——23区横展開で見てきた中で最も大きい格差。17年の値上がり率は+46.6%〜+90.0%、全町プラス成長。
「北区」を一言で語ろうとすると見落としてしまうのは、「赤羽駅前1町の別格さ」と「他の20町は近隣区の中位と同じ水準でゆっくり上がってきた」という対比の構図です。SUUMO住みたい街ランキング2026で得点ジャンプアップ自治体1位を取った北区。長く「穴場」と言われ続けた区が、6路線ターミナル+再開発+商業施設更新で本格的に評価される局面に入った——町別の数字を並べると、その転換点が見えてきます。
参考データ・出典
この記事のグラフ・地図・数字は、すべて公的に公開されているデータをもとに筆者が集計・作図したものです。
公示地価・地価調査
国土交通省 不動産情報ライブラリ XPT002(地価公示・地価調査API)
- 期間:2010年〜2026年(17年分)
- 対象:北区内・住宅地の標準地(町別中央値で集計)
- データ取得:2026年5月13日/北区内 約1,214レコード
- 公開URL:国土交通省 不動産情報ライブラリ
駅データ(地図上の駅プロット)
国土数値情報「駅」S12-25
- データ:駅別の座標・路線情報・年次乗降客数
- 公開元:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス
行政区域(地図の境界線)
国土交通省 国土数値情報「行政区域」N03(2021年版)
- データID:N03-21_13_210101
- 配布元(GeoJSON変換版):smartnews-smri/japan-topography
- 利用範囲:北区の市区町村境界の描画のみ
補足注記
■「公示地価」とは
「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」を国が毎年調べて発表している価格のことです。実際に売買される値段とは多少ずれますが、「うちの近所の土地、いくらくらいなのか」をエリア単位で比べたい時の最も中立な物差しとして使われています。不動産屋さんが言う「相場」のもとになる数字、と理解してもらえれば十分です。
■ なぜ2026年版が最新なのか
公示地価は毎年1月1日時点の価格を、その年の3月に発表する仕組みです。本記事は2026年5月時点で確定済みの最新データ(2026年版)を使っています。次回更新時には2027年版・2028年版を順次組み込んでいきます。
■「中央値」とは
同じ町に複数の調査地点がある場合、その町の値は中央値を採用しています。中央値とは、順番に並べたときに真ん中にくる数字のこと。たとえば「100、150、200、500、1000」という5つの数字があるとき、平均は390ですが、中央値は200です。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないため、町の代表的な値を示すには中央値のほうが向いています。
■ 地点数のばらつき
町によって調査地点の数は1〜6件と差があります。地点が1件しかない町は「その1地点の値段=町の値」となるため、地点が複数ある町と比べると参考値の意味合いが少し変わります。
■ 用途地域は「住宅地」の大区分でまとめている
同じ「住宅地」の中にも第一種低層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・準住居地域などの細分がありますが、本記事では「住宅地」の大区分でまとめて集計しています。
■ 数字の正確性について
本記事は公的データの集計をもとにしていますが、原データの誤り・筆者の処理ミス・AIによる集計補助のエラーなど、誤差が含まれる可能性があります。目安として読んでいただくのが正解です。正確な数字は、必ず一次データ(不動産情報ライブラリ)でご確認ください。誤りのご指摘は歓迎します。