【中野区 16町別】住宅地の地価ランキング——17年の値上がり率も(2026年最新版)
中野区の住宅地・公示地価を16町並べてみました。2026年最新値と2010年からの17年値上がり率、駅入りの地価マップまで。
中野区にはいくつ「町」があるかご存じでしょうか。
最新2026年版で住宅地の公示地価が公表されているのは16町。町ごとに最大2.31倍の差があります。練馬区(2.05倍)・板橋区(2.13倍)と比べても区内格差はやや大きめ。中央線と新宿への近さが、そのまま価格差として表れた区です。
はじめに:この記事で出てくる用語、ざっくり説明
Q. 「公示地価」とは?
A. 国が毎年調べて発表している「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」の価格です。実際の売買価格とは多少ずれますが、不動産屋さんが言う「相場」のもとになる、エリア比較の最も中立な物差し。
Q. 「中央値」とは?
A. ある町の中に複数の調査地点があるとき、順番に並べた真ん中の数字を採用しています。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないので、町の「いつもの値段」を表すのに向いている計算方法です。
Q. なぜ2026年1月1日時点のものが最新版?
A. 公示地価は毎年1月1日時点を調査して、その年の3月に発表されます。本記事は2026年5月時点で確定取得できた最新データ(2026年版)を使っています。
これらの詳しい話は、記事末尾の「補足注記」にもまとめてあります。
上位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値
上位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 中央:1,137,000円/m²
- 中野:1,035,000円/m²
- 東中野:980,000円/m²
- 本町:833,000円/m²
- 新井:817,000円/m²
- 南台:811,000円/m²
- 弥生町:765,000円/m²
- 江原町:660,000円/m²
- 上高田:641,000円/m²
- 大和町:635,000円/m²
下位10町

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値
下位10町の数字(2026年・住宅地・中央値)
- 弥生町:765,000円/m²
- 江原町:660,000円/m²
- 上高田:641,000円/m²
- 大和町:635,000円/m²
- 江古田:594,000円/m²
- 鷺宮:582,000円/m²
- 白鷺:566,000円/m²
- 若宮:565,000円/m²
- 野方:559,000円/m²
- 上鷺宮:492,000円/m²
上位は中央線・丸ノ内線・大江戸線の沿線、下位は西武新宿線の沿線=区の西側。同じ区内でも「どの線で新宿に出るか」で住宅地の値段が変わる、という構造がきれいに出ています。
下位グループの鷺宮・若宮・白鷺・上鷺宮は、地理的には杉並区の北東部(井草・下井草・井荻)と地続きで、価格帯も近い水準です。中野区の西側で接しているのは練馬区よりむしろ杉並区、というのが地図を見たときの正しい距離感。「中野の西半分は、杉並の北東部と地続き」と読み替えると、街の輪郭がつかみやすいかもしれません。
全16町を一覧で

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値
16町を一列に並べてみると、東半分が赤、西半分が黄色という、ほぼ綺麗な東西グラデーションが浮かびます。中野区は東西に細長い区。区の東端(中野・東中野)は新宿のすぐ隣で、区の西端(上鷺宮)は杉並区の井荻と接しています。「新宿に近いほど高い」というシンプルなルールが、これほどはっきり出る区も珍しい。
値上がり率ランキング(2010→2026、17年)
値上がり率トップ10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率トップ10(2010→2026、住宅地中央値)
- 中央:+134.0%(486,000 → 1,137,000円/m²)
- 南台:+86.0%(436,000 → 811,000円/m²)
- 東中野:+83.5%(534,000 → 980,000円/m²)
- 中野:+72.5%(600,000 → 1,035,000円/m²)
- 本町:+67.4%(497,500 → 833,000円/m²)
- 新井:+65.1%(495,000 → 817,000円/m²)
- 弥生町:+60.7%(476,000 → 765,000円/m²)
- 大和町:+58.0%(402,000 → 635,000円/m²)
- 上高田:+50.5%(426,000 → 641,000円/m²)
- 江原町:+50.0%(440,000 → 660,000円/m²)
首位は「中央」町。+134%という突出した伸びで、17年で2.34倍に。これは中野区を語るうえで外せない数字で、中野駅周辺と新中野駅周辺の再開発期待が長く地価に乗ってきた結果です。
ただし、ここで注意点をひとつ。本記事の公示地価は2026年1月1日時点ですが、その後2026年3月、中野サンプラザ跡地の再開発計画は事実上「白紙」となりました。当初は262mの超高層ビル+多目的ホール(2028年完成目標)で計画されていたものが、工費が約1,810億円から約3,500億円に上昇し、東京都が修正案を不承認。区長は新計画として、3,000〜5,000人収容のミュージックホールを核とする大型複合施設を公表し、完成目標は2034年度に後ろ倒しされました。中野駅新北口駅前広場の整備も並行しており、こちらは2025年着工・2029年完成予定。中野駅前の更新は止まったわけではなく、形を変えてまだ続いている、というのが正確な現在地です。
2位以下の南台・東中野・中野・本町・新井・弥生町まで、すべて中野駅から徒歩圏か中央線・丸ノ内線・大江戸線の駅近。17年間、ずっと「都心アクセスの良い住宅地」が選ばれ続けた結果が、こうしてランキングに出ています。中野は「これから何かが起きる町」として長く期待され、その期待がそのまま地価に乗ってきた区——そんな読み方ができます。
値上がり率ボトム10

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
値上がり率ボトム10
- 弥生町:+60.7%
- 大和町:+58.0%
- 上高田:+50.5%
- 江原町:+50.0%
- 上鷺宮:+44.7%
- 野方:+44.3%
- 若宮:+43.0%
- 白鷺:+42.9%
- 鷺宮:+42.6%
- 江古田:+42.4%
最も伸びの控えめな江古田・鷺宮・白鷺・若宮・野方・上鷺宮でも17年で+42〜+45%。3割伸びれば成功と言われる住宅地で、最下位グループでもこの数字。「中野区の住宅地は全町が値上がりした17年」と言って差し支えありません。
なお、ここで言う「江古田」は中野区の江古田で、西武池袋線の江古田駅(練馬区豊玉北)とは別の町です。中野区江古田は西武新宿線の沼袋・新井薬師前に近い、哲学堂公園の南側にあたります。
全16町、17年の値上がり率

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
地価マップ(地点と駅)

データ出典:(地点・価格)国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価2026年(XPT002)/(駅)国土数値情報 駅データ S12-25・国土交通省/(境界線)国土数値情報 行政区域N03-21
地図の読み方
- 中野区の形をした地図の中に、小さな丸い点(地価ポイント)と黒い四角(駅)が散らばっています
- 濃い赤色の丸ほど、その場所の地価が高い
- 薄い黄色の丸ほど、その場所の地価が低い
- 黒い四角は中野区内の駅(12駅)
- 地図の右側に色の目盛り(カラーバー)があり、最も赤い地点で 1m²あたり114万円台、最も黄色い地点で 49万円台 あたり
地図にすると、中央線(東中野・中野)と丸ノ内線(中野富士見町・新中野・新井薬師前)の沿線が赤の帯で、そこから北西に向かって色がフェードしていくのが見えます。区を貫く中央線と、ちょうど真ん中で交差する丸ノ内線が、地価のバックボーン。
西武新宿線(沼袋・野方・都立家政・鷺ノ宮)は地価を底上げするほどではなく、「住める価格帯」のラインを支える役割を担っています。これが、中野区が「働く人にも家族にも開かれた区」と言われる構造的な理由のひとつ。
首位と末尾の17年推移

データ出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」公示地価(XPT002)/中野区・住宅地・町別中央値/2010-2026年
首位「中央」町は2010年48.6万円から2026年113.7万円へ、17年で2.34倍。末尾「上鷺宮」は+44.7%、34万円から49万円へ。両方とも上がっているのですが、伸びの加速タイミングが違います。中央町は2014年あたりから明確に伸びはじめ、2020年以降は急角度。上鷺宮はずっとゆるやかな右肩上がり。中野区全体が値上がりした17年ではあるけれど、「上昇のスピードが何倍も違う」ことが、町別の現在価格2.31倍という差を作っています。
3エリアで整理
16町の数字を、ざっくり3つのエリアに分けて見ると、中野区の輪郭がより掴みやすくなります。
- 東部(中野・東中野・新中野・本町・南台・弥生町):中央線・丸ノ内線・大江戸線が交わるエリア。価格・伸び率ともトップ層。中野区の「都心型住宅地」と呼べる
- 中央(新井・上高田・江原町・江古田・大和町):中野駅北口側+哲学堂公園周辺。西武新宿線の手前、丸ノ内線新井薬師前あたり。中野らしい住宅街として安定して伸びる中位ゾーン
- 西部(鷺宮・若宮・白鷺・上鷺宮・野方):西武新宿線の沿線、杉並区との境界近く。新宿まで20分台のファミリー向け住宅街。価格はゆるやかに、しかし確実に上昇中
「西部が劣っている」という話ではありません。新宿のすぐ隣で再開発が地価を押し上げる東部と、西武新宿線でゆったり暮らせる住宅街が広がる西部——同じ区内にこの両方が揃っているのが、中野区の輪郭です。「駅前5分の都心生活」を取るか「家族向けの落ち着いた住宅街」を取るか、その選択肢が一つの区の中で完結している——16町分のバリエーションは、そのまま暮らし方の幅でもあります。
中野を、町別に見ると
16町、最高113.7万円から最低49.2万円、その差2.31倍。17年の値上がり率は+42.4%〜+134.0%、全町プラス成長。
「中野区」を一言で語ろうとすると見落としてしまう東西のグラデーションが、町別に並べると見えてきます。「新宿まで5分の暮らし」と「西武新宿線でゆったりの暮らし」が、同じ区内で両立している——その選択の幅を、データが映し出してくれました。
参考データ・出典
この記事のグラフ・地図・数字は、すべて公的に公開されているデータをもとに筆者が集計・作図したものです。
公示地価・地価調査
国土交通省 不動産情報ライブラリ XPT002(地価公示・地価調査API)
- 期間:2010年〜2026年(17年分)
- 対象:中野区内・住宅地の標準地(町別中央値で集計)
- データ取得:2026年5月13日/中野区内 約1,208レコード
- 公開URL:国土交通省 不動産情報ライブラリ
駅データ(地図上の駅プロット)
国土数値情報「駅」S12-25
- データ:駅別の座標・路線情報・年次乗降客数
- 公開元:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス
行政区域(地図の境界線)
国土交通省 国土数値情報「行政区域」N03(2021年版)
- データID:N03-21_13_210101
- 配布元(GeoJSON変換版):smartnews-smri/japan-topography
- 利用範囲:中野区の市区町村境界の描画のみ
補足注記
■「公示地価」とは
「この場所の土地、1m²あたりいくらが妥当か」を国が毎年調べて発表している価格のことです。実際に売買される値段とは多少ずれますが、「うちの近所の土地、いくらくらいなのか」をエリア単位で比べたい時の最も中立な物差しとして使われています。不動産屋さんが言う「相場」のもとになる数字、と理解してもらえれば十分です。
■ なぜ2026年版が最新なのか
公示地価は毎年1月1日時点の価格を、その年の3月に発表する仕組みです。本記事は2026年5月時点で確定済みの最新データ(2026年版)を使っています。次回更新時には2027年版・2028年版を順次組み込んでいきます。
■「中央値」とは
同じ町に複数の調査地点がある場合、その町の値は中央値を採用しています。中央値とは、順番に並べたときに真ん中にくる数字のこと。たとえば「100、150、200、500、1000」という5つの数字があるとき、平均は390ですが、中央値は200です。1つだけ飛び抜けて高い土地に引っ張られないため、町の代表的な値を示すには中央値のほうが向いています。
■ 地点数のばらつき
町によって調査地点の数は1〜6件と差があります。地点が1件しかない町は「その1地点の値段=町の値」となるため、地点が複数ある町と比べると参考値の意味合いが少し変わります。
■ 用途地域は「住宅地」の大区分でまとめている
同じ「住宅地」の中にも第一種低層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・準住居地域などの細分がありますが、本記事では「住宅地」の大区分でまとめて集計しています。
■ 数字の正確性について
本記事は公的データの集計をもとにしていますが、原データの誤り・筆者の処理ミス・AIによる集計補助のエラーなど、誤差が含まれる可能性があります。目安として読んでいただくのが正解です。正確な数字は、必ず一次データ(不動産情報ライブラリ)でご確認ください。誤りのご指摘は歓迎します。